後継者に対する不安がある場合の対策事例
最終更新日時：2022年8月9日
会社概要
株式保有状況
相談内容
義父から事業を引き継いだＢさんは、奥様と二人三脚で順調に事業を拡大してきました。
後継者であるご長男は、一生懸命に業務に励んでいるけれども、まだお若く、後継者としては不安なところが大きいご様子。会社の株式もどうしたらよいのか、まったくわからないということでご 相談を受けました。
問題点
弊社でお話を伺い、現状分析を行ったところ、次の問題点が洗い出されました。
① 株価が高く、相続税評価額が高額
② 事業承継の際に、後継者が支払う税金や売買代金が高額
③ 株式の分散リスク
④ 後継者に対する不安
①弊社で株価算定を行ったところ、高齢の義母が保有する株式の相続税評価額が2億円と高額になりました。万が一、相続が発生したら、株式だけで１億円近い相続税を納付することになってしまいます。
②また、後継者であるご長男が、事業承継される際、経営を安定的に行うために必要な株式を贈与や売買等により取得します。
その際の税金や売買代金も、高額になると予想されました。
③株式の分散リスクも懸念されました。義妹は監査役として会社に関わっていますが、その家族は会社とは無関係です。
今後、義妹に相続が発生すると、会社に無関係な人（義妹の子）に株式が相続されてしまいます。経営に支障をきたしてしまう事態になる可能性があるので、事前に回避する対策が必要です。
④後継者が決まっているA社は大変恵まれていますが、まだ、全てを任せるには様々な点でご不安があるとのことで、Bさんのご希望としては、ご長男に経営権を譲渡した後も、最終判断は、Bさんが行いたいというお話がありました。
解決策
弊社は、上記の問題点を踏まえて、下記の提案を行いました。
① 従業員持株会の組成
② 種類株式の設定
③ 信託の活用
①A社には、沢山の従業員がいたので、福利厚生を向上させるため、従業員持株会を組成しました。
義母及び義妹の株式を、株価の安い配当還元価額で譲渡できる従業員持株会へ売却しました。
②従業員持株会の株式には、株主総会での発言権がない代わりに、配当金を多くもらえる種類株式を設定しました。
また、Bさんには、後継者の経営を監視する事が可能となる「黄金株」といわれる種類株式を設定しました。
③最後の仕上げとして、信託を活用することで、Bさんと妻の保有する株式を必ず後継者が取得できるよう措置を行いました。
上記の対策により、Bさんのご不安を解消することが出来、大変喜んで頂きました。
